第二弾です！

夏目誕生日企画第2弾。
ということで翌日も熱が冷めない私。
そういえば明日は夏目8巻の発売日ではありませんか！
すっごく楽しみです。

今回は、田沼君に祝ってもらいます！
本命だったはずの田沼×夏目ですよ。すっかり忘れていました。
純情と言う穢れなき聖域を忘れていましたよ！


久しぶりに女性向けでもない感じの
ほのぼの系となりました。

俺は夏目に話しかけるのに緊張していた。
今日は夏目の誕生日だ。もちろん夏目にはプレゼントを用意した。
でも、それを渡すかどうかで迷っていた。

もちろん夏目は受け取ってくれる。けど喜んでくれるかは分からない。
そういうとき夏目は、きっと愛想笑いをかます。
それがひどくつらいんだ。
だったらいっそ渡さないほうがいいのだろうか。

「田沼。今日は一緒に帰れるか？」

ふいに夏目が話しかけてきた。
夏目････。
やっぱり俺、夏目にプレゼント渡したい。

「お、おう。もちろん。帰ろうか。」


7月晴れという表現が最適な天候だった。
焦る気持ちで、自然と歩く速度が早くなる。
いつ切り出そうか。
というか、切り出せずに終わってしまいそうだ。
でも、渡したい。夏目の喜ぶ顔が見たい。
夏目は喜んでくれるだろうか―。

「夏目。今から少し話したいんだ。時間は大丈夫か？」

「ああ。もちろん。どうしたんだ？いきなり。」

夏目は突然の誘いに少しきょとんとしていた。
俺たちはいつもの帰り道から外れた遠回りの道を、まだ湿気を多く含んだ空気をまといながら歩いた。

「な、夏目･･･！」

俺はバッグからガサゴソと夏目へのプレゼントを取り出す。

「お、お誕生日おめでとう！」

震える手に気付かれないか不安だった。
緊張は頂点にまで達していて、心臓がバクバクと音をたてる。
声は震えていなかっただろうか。
顔は赤くなっていないだろうか。
―受け取ってくれるだろうか。

「た、田沼･･･。ありがとう！」

夏目は受け取ってくれた。
でも俺は怖くて夏目の顔をみれなかった。
あの愛想笑いをしていないだろうか。

「今日は色んな人に、いっぱいおめでとうって言われてきたけれど、
　田沼のは何だか特別に感じるよ。本当にありがとう！」

その晴れ晴れと明るく、嬉しそうな声を、俺は初めて聞いた。
夏目は心からの笑顔を俺に見せてくれた。

「こちらこそありがとうだよ、夏目！」

俺も、夏目に精一杯のおめでとうを込めて、笑った。