おれは今、名取さんの家に居る。
なんでかと言えば、名取さんの家の布団が裂けてしまったそうで、
名取さんは「自分は縫い物ができないから。」といって、おれに押し付けてきた。
いい大人なんだからそのくらい自分でしてほしいものだ。
でも、名取さんにはいろいろお世話になっていることだし、
縫い物は嫌いじゃない。
だから、引き受けることにしたのだ。
「夏目、お茶入れてくるから。ちょっと待ってて。」
名取さんの部屋は、でっかいテレビとソファーとテーブル。あとはベッドだけが置いてあるだけの
いたってシンプルな部屋だった。
おれはソファーに座った。さて、はじめようか。
針に糸を通すのも、するりと難なくこなし、慣れた手つきで繕い始めた。
布団は30センチ位裂けていた。
―このくらい、自分でやったらどうなんだ。
おれは、ぐちを心でこぼしながらもしゅるしゅるとこなしていく。
―そういえば、この布団。名取さんのいい匂いがする。
名取さんの匂い。
優しくて、大人で、落ち着いている、そんな匂い。
おれはこの匂いが、好きだった。
自覚はないけれど、この匂いに快い感覚を覚えていた。
――チクッ。
「痛っ。」
おれは小さくつぶやいた。
ぼうっとしてたせいだ。針を指に刺してしまった。
右手の人差し指から、ぷくっと血が浮き出てきた。
やばい、布団を汚してしまう・・・。ティッシュ、ティッシュ・・・・・。
「夏目?どうかした?」
そこにお茶を持ってきた名取さんが来た。
「な、名取さん。ティッシュをくれませんか?針で指刺しちゃって。」
「大丈夫?夏目。」
すると名取さんは、おれのほうへ近づいてきた。
おれの目の前まで来ると、大きな手でおれの細い右手首をやさしくつかんだ。
そして名取さんの口の前まで運ばれた。
「な、名取さん・・・?」
名取さんは俺の指を血をぺろりと舐めた。
「なっ・・・・・なと・・・・っ。りさん・・・?やめっ・・・・!!!」
そして名取さんは、俺の指をしゃぶり始めた
名取さんの暖かい口の中を指が感じている。
それを通じておれの体をも感じさせる。
恥ずかしくて、でも嬉しいって思ってる自分がいて、
怖くて、でも気持ちよくて・・・・。
「っ・・・。名取さあん・・・。や、やめっ・・て・・・うぅ・・・。」
自分はなんていやらしい声を出しているのだろう。
指をしゃぶられたくらいでこんなに・・・・・・・。
でも名取さんの温かい舌が、心地いい。
そんなこと考えちゃだめなんだ。分かってる。でも・・・・・・・・。
「夏目、嫌かい?」
「ん・・・ふ。も、もっと・・・・・・・・・・・・・。名取・・・さん・・・。もっとぉ・・・・・・。」
「そんな目、したら俺が我慢できなくなるよ?」
外気にさらされたおれの指の傷が、ドクンドクンと
動いているような気がした。
それがうなずいてるように思えて自分が、もっといやらしく思えた。
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